転がる石はまろくなる。

オンボロと小自然と。

ウチの庭はマジだらけ。

ウチの小さな庭には、ちょっとした野菜を育ててる畑や、メダカたちの池(といっても本当の池ではなくて睡蓮鉢その他)がある。

メダカ池の底の泥をときどきすくってタライに移しているんだけど、気づいたらタライにもメダカの稚魚が泳いでいる。しかもかなり大量。泥の中に卵があるからだと思う。稚魚はどんどん育つんだけど、その中に、やたらと巨大に育ったやつがいる。たぶんやつは他の稚魚を食べている。でなければあんなに大きく育たない。時間をかけた格闘の末、そいつを一番大きなメダカのみの睡蓮鉢に移した。メダカがメダカを食べてしまうという現実。

いっぽう別のタライでは、ヤゴの殻の隣に脱皮したトンボがホテイ草につかまってじっとしていた。死んでるのかと思ってつついたら生きてたのでそのまま数日放置したが、結局どうも脱皮後の何かが駄目だったらしくて死んでしまった。庭の土の上に葬ってあげたら、次の日には羽根しか残ってなかった。きっとアリに食べられたのだろう。きっとヤゴ時代にはタライのメダカ稚魚をたらふく食べていたのに違いないから、せっかくなら飛び立ってほしかった。

稚魚が育つプラ舟などでは、何匹かのオタマジャクシも稚魚に交じって泳いでいる。オタマジャクシはもっぱら壁のミドリモを主食にしているようで、へばりついて熱心に食べている。メダカ池には大小さまざまなカエルも勝手に住み着いていて、畑や通路にも小さなカエルがぴょんぴょん飛び回ったりしている。

そんなこんなで、庭はいろんな生で賑やかだが、同時に死も満ちている。命というのはそういうことなのだ。庭の命は、ぴょんぴょん、スイスイと元気に動き回っているが、彼らはマジで懸命に生き延びている。

それを見て、ぼくも負けずに生き延びようと思う。