転がる石はまろくなる。

オンボロと小自然と。

「おいしい」は文化だ。

「おいしい食べ物」は万国共通ではない。国ごとに地域ごとに、その風土で育まれてきた食文化があるから、その土地ごとに「おいしい食べ物」は違う。たとえば僕がいま住んでいる埼玉県は実は「うどん」がおいしい。それは埼玉県人が歴史を重ねて磨き上げてきたおいしさであり、一朝一夕においしくなったわけではない。

だから「おいしい」は文化だ。「おいしい」が人々に栄養素以上の力を与えるのは、「おいしい」が文化だからだ。おいしい食事を日々提供している飲食従事者は文化の伝承者だ。

地元のおいしいものを食べる。旅先でおいしいものを食べる。それは綿々と継承される食文化をリスペクトすることであり、それを次世代につなげることであり、僕らを心豊かな存在にすることでよりよい社会をつくりだすことだ。

だからどんなことがあっても「おいしい」を守り育て続けていこう。